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ユーザビリティ・コラム

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第7回 一貫性(consistency)

今回は「一貫性」について考える。
一つの機能で一通り習得した操作方法の知識が、他の機能や関連する製品間でもそのまま応用できれば、ユーザーの学習を容易にするので利用者にとっては大変効率的である。製品内の操作性の一貫性を保つと同時に、関連する製品間やシリーズ製品間でも一貫性が保たれることは利用者にとっては大変望まれることである。

操作の一貫性をデザインするための3要素

GUIで操作の一貫性を保ったデザイン・設計をする時の着目点としては、以下に示す3つの側面からの考慮が必要となる。

  • (1)操作の一貫性:操作フロー、機能構成など
  • (2)画面デザインの一貫性:画面レイアウト、ボタンなどの詳細な表現など
  • (3)用語の一貫性:ファンクション名、画面名など

デザイナー・設計者側は自分の担当するアプリケーションにとって最適のユーザーインターフェースを目指して日々デザイン・設計を行っている。しかしユーザーは製品全体を通して利用する場合が多く、個々のアプリケーション(複合機の場合ではコピーやファクス)間でちょっとした操作の違いでも、ユーザーには一貫性が欠けているということから使いづらいという感想を持つことがよくある。個々のアプリケーション内の一貫性とともに、製品全体を通した一貫性が必要である。

製品としての2つの側面を考慮

次にデザインのマネジメントという視点からは2つの側面を考慮することが必要である。

  • (1)“機能間”の一貫性:
    • システム内の共通操作ルール、UI要素などは極力機能間で統一して、ユーザーが一度覚えれば他の場面でも応用できるようにすること。例えば複合機で言うならばコピー、ファクス、スキャナー、ドキュメントボックスといった機能間での一貫性が必要。
  • (2)“製品間”の一貫性:
    • シリーズ間や他の製品で広く普及している操作手順、UI要素などはそのルールに準じること。これは同等の他マシンや、他社の同等製品といった一貫性が必要。

デザインガイドラインの重要性

以上に述べたような一貫性を持った製品をデザイン・設計するためにはどうすればよいか。詳細のデザイン・設計の段階に入る前に、まず製品全体としてのGUIデザインガイドラインを十分検討し、はじめに述べた「1.操作の一貫性」「2.画面デザインの一貫性」「3.用語の一貫性」を考慮して、各操作ルールをガイドライン化してきちんと設定し担当者間で合意を得ておくことが先決である。個々の操作においては多少効率が落ちても、横断的に操作の一貫性がとれるように考えることが重要である。また作成されたガイドラインは次に開発される製品や他シリーズへの応用ができるような仕組みも配慮しておくことが重要である。
最近では、メーカー間においても使用する用語やUI要素の標準化活動を通じて基本的な操作の一貫性の取り組みがおこなわれており、今後の方向性が示されている。(CRX Project:http://www.crx.gr.jp/)
それでは次に機能間、製品間それぞれの一貫性を示しながら、設計・デザインの一貫性の例を示す。


【1.機能間の一貫性の例】


具体例: リコーのNeo C325itにおける3機能コピー、ファクス、スキャナー

写真 1

  • 1. 操作の一貫性:
    • 設定項目をタッチし、指定する作法で一貫している。
  • 2. 画面デザインの一貫性
    • 画面のレイアウトとしては左側が原稿(Input)を読み込ませるための設定ボタンが並んでおり、右側が出力する際の設定(Output)が並んでおり、コピー/ファクス/スキャナーの各機能間で一貫性が保たれている。
    • 画面デザインの表現は全体として一貫している。---写真1
  • 3. 用語の一貫性
    • 機能間で使用されている共通の機能の用語は一貫して使われている。

【2.製品間の一貫性】


具体例:NTTドコモのソニー・エリクソン製携帯電話を比較

写真 2

モードと下位項目が一緒に動くので、今選んでいるモードに入っている項目を見ながら選ぶことができる

写真 3

今選んでいる項目とともに前後の項目も表示される


  • 1. 操作の一貫性:
    • モード選択画面では本体の上下ボタンでカーソルを移動し、選択ボタン(カーソル中央)を押下で決定するという操作方法。
    • モードを選んでいる時に下位項目を見ながら操作が出来る。---写真2
  • 2. 画面デザインの一貫性
    • フォーカスのあたったモードの項目とその前後にある項目も表示される。---写真3
  • 3. 用語の一貫性
    • それぞれの画面において用語の一貫性が保たれており、SOシリーズを使い続けている人にとっては、今までの操作感が保たれる。

今まで説明したとおり、ある製品をマネジメントという視点から一貫性を考える際には2つの視点を考慮することが必要である。
次回は用語について考える。

デザイン・設計ガイドライン

  • (1)機能間の一貫性:

    • システム内の共通操作ルール、UI要素などは極力機能間で統一して、ユーザーが一度覚えれば他の場面でも応用できるようにすること。
  • (2)製品間の一貫性:

    • シリーズ間や他の製品で広く普及している操作手順、UI要素などはそのルールに準じること。