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ユーザビリティ・コラム

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第3回 エラー対応(error tolerance)

2種類のエラー

皆さんはこのような経験はありませんか?

  • A.「240円」の切符を買おうとして、うっかりとなりの「260円」のボタンを押してしまった。
  • B.ある駅までの切符を買ったが、降りた駅の自動改札で止められてしまった。
      その駅までは「240円」だと思っていたが、実際は「260円」だった。

この2つは “エラー”のエピソードである。今回はエラーの種類とエラー対応の仕方について説明していく。


 一般的にエラーは大きく2種類に分類される。例AはSlip(スリップ)といい「うっかりミス」とも呼ばれている。「いつも操作していることなのについうっかり・・・」というように、身に付いていることが何らかのきっかけで注意が欠けてしまって起こるエラーを指す。「うっかりしていて間違えた、無意識にあることを省略してしまった」なども同様である。例Aの場合は、無意識に別のボタンを押してしまったということになる。

一方、例BはMistake(ミステイク)といい「思い込み/間違い」と呼ばれている。「操作したら、思っていたことと違う結果になった」というように、プロセス(手順)を思い違えて覚えている時に起こるエラーを指す。例Bでは、切符を買うプロセスの中で間違った目標選択をしてしまったということになる。

ユーザビリティー評価などを実施した結果エラーが発見され、画面デザインに反映する場合に、人間のエラーという視点から検討する必要がある。「何がどのようにエラーを導いたか」「エラーの防止、回避、復旧方式をどのように提供すればよいか」などを考える必要がある。 どのような問題でもエラーには何らかの対策が必要になる。その際にエラーの種類を特定し、それに応じて適切な対応方法を選択することが大切である。いくつかの対策があるがここではよく用いられている3つの対策について説明する。


エラー対応方法について

(1)フールプルーフ/フェールセーフ

フールプルーフは「エラーの未然防止」である。例えば「原稿がセットされていないとスタートボタンが押せない」というように具体的に発生しそうなエラー動作を未然に制限しておくことである。 フェールセーフは「エラー対処」である。例えばパソコンで作っていたデーターを誤って削除してしまった時、それを「元に戻す(undo)」ボタンで元に戻せるといったようにユーザーが誤っても安全なようにする、または安全側に作用するということである。---図-1.

図-1 フェールセーフの一例

図-1 フェールセーフの一例

(2)フィードバック/フィードフォワード

フィードフォワードは図-2 のプレビューのようにユーザーのアクション前に積極的にシステム情報を提示することである。それに対してフィードバックは設定した機能が組み合わせできない場合に「この組み合わせはできません」というようにユーザーのアクションに対して、その結果システムがどういう状況にあるかを提示するやり方である。 一般的に、できる限りフィードフォワードを採用することが望まれる。

図-2 設定をするとプレビュー(赤枠で囲われた部分)に反映され確認できる

図-2 設定をするとプレビュー(赤枠で囲われた部分)に反映され確認できる

(3)エラーメッセージ

エラーメッセージ情報はユーザーに適切に与え、その際には「現象の説明と対処(どのようにすればよいか)」をきちんと説明することが必要である。
“人間はミスを犯す”という前提で、画面デザインを設計することが大切だということである。


以下にガイドラインを記載する。


デザイン・設計ガイドライン

  • (1)エラーメッセージ:

    • エラーメッセージはユーザーに適切に与えること。
  • (2)可逆操作:

    • 必ずエラー前の状態に簡単に戻せるようにシステムは設計されていること。
  • (3)エラー未然防止:

    • ユーザーがエラーを犯さないように未然に防止する工夫がされていること。
  • (4)エラー対処:

    • 万が一ユーザーがエラーを犯したとしても、被害が最小限になるように工夫がされていること。
  • (5)エラートレランス:

    • エラーに対する許容度が高いこと。